汗牛未充棟

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2019-11-01から1ヶ月間の記事一覧

――野﨑まど『2 新装版』

『[映]アムリタ』から『2』まで読んでください。 [映]アムリタ 新装版 (メディアワークス文庫) 作者: 野崎まど 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2019/09/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 舞面真面とお面の女 新装版 (メディアワークス文庫)…

野﨑まど的日常系――野﨑まど『パーフェクトフレンド 新装版』

メディアワークス文庫から刊行された野﨑まど作品の新装版シリーズ第5弾は『パーフェクトフレンド』。ジャンルでいうなら日常系だろうか。 よくある日常系のマンガなりアニメなりを頭に思い浮かべてほしい。複数人の主要キャラクターのなかには、主人公たち…

美少年シリーズ 祝アニメ化!――西尾維新『美少年蜥蜴 【光編】』

指輪学園中等部の美術室を根城にして、個性豊かな美少年たちが集う美少年探偵団。"良すぎる視力"を持ち、とある事件をきっかけに男装して入団することになった主人公・瞳島眉美と、団員たちの活躍を描く美少年シリーズの第9弾。ちなみに主人公の眉美は西尾維…

瞳島眉美が単身潜入調査に挑む――西尾維新『美少年M』

指輪学園中等部の美術室を根城にして、個性豊かな美少年たちが集う美少年探偵団。異常に発達した視力を持ち、とある事件をきっかけに男装して入団することになった主人公・瞳島眉美と、団員たちの活躍(?)を描く美少年シリーズの第9弾。ちなみに主人公の眉美…

”この世で一番面白い小説”ってどんな小説?――野﨑まど『小説家の作り方 新装版』

メディアワークス文庫から刊行された野﨑まど作品の新装版シリーズ第4弾は『小説家の作り方』。作品制作がテーマという点では『[映]アムリタ』を思い出させるが、天才が制作を主導していた前作とは違い、今回はド素人に作り方を教えるという物語になっている…

戴国の動乱遂に終結......か⁉――小野不由美『白銀の墟 玄の月(三),(四) 十二国記』

十二国記シリーズに先駆けて発表された『魔性の子』は現代を舞台にしたホラーでありながら、実質泰麒の物語であった。その後の十二国記シリーズ一作目『月の影 影の海』では既に戴国の政情不安が語られていた。そして二作目『風の海 迷宮の岸』では、少し時…

新装版第3弾は学園ミステリ!――野﨑まど『死なない生徒殺人事件~識別組子とさまよえる不死~ 新装版』

メディアワークス文庫から刊行された野﨑まど作品の新装版シリーズ第3弾は学園ミステリ『死なない生徒殺人事件~識別組子とさまよえる不死~ 新装版』。奥付を見ると初版となっていて、新装版は旧バージョンとは別の作品としてカウントされるんだなと、今更…

野﨑まど版伝奇ミステリ!遺言の先に待つものとは――野﨑まど『舞面真面とお面の女 新装版』

野﨑まどの第二長編となる『舞面真面とお面の女』。こちらの新装版が『[映]アムリタ』の新装版と同時発売となっている。 「伝記ミステリ」と謳われている本作だが、果たしてどこまで信じることができるのであろうか。 舞面真面とお面の女 新装版 (メディアワ…

物語と時代性、永遠に語り継がれる小説とは――伴名練「延命小説」

今年SF短編集『なめらかな世界と、その敵』(早川書房)が大ヒットした伴名練によるエッセイ「延命小説」が文學界2019年12月号に掲載されている。 (Amazonリンク) 内容はタイトルのとおり、時代を超え残り続ける物語についての思索で、2ページと短い…

いま一番”ヤバい”作家の原点が新装版で登場!――野﨑まど『[映]アムリタ 新装版』

野﨑まどといえば、私にとっては長らく「電撃文庫MAGAZINEに変な短編を連載している人」という印象だった。普段小説は読まない弟も、野﨑まど劇場だけは読みたがって、二人してゲラゲラ笑っていた。(ちなみに電撃文庫MAGAZINEは、SAOの特大ポスター目当てで…

SFの醍醐味が詰まった傑作アンソロジー――東京創元社編集部編『宙を数える 書き下ろし宇宙SFアンソロジー』

東京創元社の文庫創刊60周年を記念して制作された『宙を数える』及び『時を歩く』は、創元SF短編賞受賞者によるテーマ別の書き下ろしアンソロジーとなっている。今回読んだ『宙を数える』は宇宙SFがテーマとなっており、私は宮澤伊織を目当てに手に取っ…

『デススト』に触発された著者の新作短編が日本で初公開!――ピーター・トライアス(中原尚哉訳)「死亡猶予」

SFマガジン2019年12月号に掲載の短編。『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』『メカ・サムライ・エンパイア』などで知られる米国人作家ピーター・トライアスが、ゲーム『デス・ストランディング』に触発されて執筆したもので、このSFマガジンに掲…

十八年ぶり待望の新作。引き裂かれた主従の再会は叶うのか――小野不由美『白銀の墟 玄の月(一),(二) 十二国記』

『黄昏の岸 暁の天』の発売から18年。遂に発売された新作だが、まだ焦る必要はない。今作は全4巻構成となっており、三,四巻の発売日は11月9日となっている。長い間待ちわびたファンにご褒美をチラつかせておきながら、さらにあと一ヶ月も焦らすという鬼畜な…