『デススト』に触発された著者の新作短編が日本で初公開!――ピーター・トライアス(中原尚哉訳)「死亡猶予」
SFマガジン2019年12月号に掲載の短編。『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』『メカ・サムライ・エンパイア』などで知られる米国人作家ピーター・トライアスが、ゲーム『デス・ストランディング』に触発されて執筆したもので、このSFマガジンに掲載された翻訳版が全世界初公開となっている。
主人公はとある組織でポータリストとして活動するバイロン・デゥウェイ。ポータリストが具体的にどのような仕事をしているのか具体的な説明はないが、次元断層の修復を行うなど、日夜世界の危機を救っているらしい。
売れないコンパニオンであるビビアンと休日を過ごしていたバイロンだが、とある不思議な現象に遭遇する。明らかな致命傷を負った人間が、なぜだか死なずに生きているのである。どうやら世界中で同じ現象が起こっているようだ。さらにバイロンの前に同僚のポータリストが現れ、自身の死刑が執行されるのを停止してほしいと言い出し、バイロンは次々と不思議な状況に巻き込まれていく。
正直なところを述べると、あまり引っかかるところもなく、さらっと読み終えてしまった。就寝前に疲れ切った状態で読んでいたからかもと思い、翌朝もう一度軽く読み直してみたが、同じだった。
もちろん作品に文句があるというのではなく、これは私のインプット不足が原因である。もしくはジャンルに対する感受性の未発達、受容体の不足とでも言おうか。作品の軸となっているのは、バイロンとビビアンの恋愛関係、というには行き詰っていて希望のない、大人のビターな関係だが、それを味わうにはまだ私自身の用意が足りていなかったようだ。
信じられない名誉!「デス・ストランディング」に刺激されて書いた「死亡猶予」への素晴らしい言葉に感動。ありがとう小島監督!貴方の素晴らしい忠告に従い、すぐに長編版に取り掛かります! 😀😂https://t.co/eLGwllAddI
— Peter Tieryas (@TieryasXu) October 28, 2019
長編作品となる可能性もあうようで、そうなればポータリストについてももっと語られるかもしれない。楽しみにしたい。
ところで発想のきっかけとなった『デス・ストランディング』。私もたいへん興味があるが、買うかどうか迷うところだ。何せこちとら、この10年ほどゲームを完結させたことがない。最近は買ってから10時間もプレイせずに飽きるので、はなから買わないようにしている。デスストを買うとなるとPS4から用意しないといけないので、そこまでして10時間で飽きたら悲惨というほかない。
しかしゲームという枠を越えて広い範囲に大きな影響を与えそうなこのゲーム、プレイしないのももったいないのではないか。うーん…………悩む……。
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