汗牛未充棟

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2020-03-01から1ヶ月間の記事一覧

『異修羅 Ⅱ 殺界微塵嵐』珪素――すべてを粉微塵にする嵐を前に、恐るべき修羅たちが激突する。謀略の2巻!

人間の剣豪、鳥竜(ワイバーン)の冒険者、森人(エルフ)の術士など、様々な種族・職種の"修羅"たちが「本物の勇者」の座を巡って激突する『異修羅』。 謀略を駆使する修羅も登場し、策謀入り乱れる第2巻が、今回もカクヨム版から10万字も加筆されて発売されま…

『ツインスター・サイクロン・ランナウェイ』小川一水――偏見や因習をはねのけて、ツインスターが宇宙を駆ける

ハヤカワ文庫発の百合SFアンソロジー『アステリズムに花束を』にてトリを飾った、小川一水の「ツインスター・サイクロン・ランナウェイ」。辺境宇宙で女同士のでこぼこコンビが、因習や偏見と戦いながら魚っぽいものを捕まえるという、漁業百合SFが長編版と…

『こわれたせかいの むこうがわ ~少女たちのディストピア生存術~』陸道烈夏――”ラジオ”を武器に歪な世界を這い上がれ!

第26回電撃小説大賞では、アニラジをテーマにした『声優ラジオのウラオモテ』が大賞を受賞しましたが、同じく銀賞を受賞した『こわれたせかいの むこうがわ ~少女たちのディストピア生存術~』においても、重要なキーアイテムとしてラジオが登場します。 唯…

『文学賞メッタ斬り!』大森望,豊﨑由美――20年前のSF界隈ってどんな感じ?

長野県は小布施町を観光でふらついていたときに、「じゃらん亭*1」という古本屋兼喫茶店で見つけた一冊。2004年の出版で、その当時の様々なジャンルの文学賞について、両氏がざっくばらんに対談をした様子が収録されています。 文学賞メッタ斬り! (ちくま文…

感動を語り継ぐということ――伴名練「白萩家食卓眺望」

作家としては『なめらかな世界と、その敵』でベストSF2019国内編1位を獲得し、アンソロジストとしては先日『2010年代SF傑作選』全2巻が発売されたばかりの伴名練の最新作「白萩家食卓眺望」が、SFマガジン2020年4月号に掲載されています。 SFマガジン2020年0…

こういう企画もっと増えてほしい――『FGOミステリー小説アンソロジー カルデアの事件簿 file.01』

TYPE-MOONがおくるアプリゲーム『Fate/Grand Order』の公式小説アンソロジー。タイトルにあるとおり、ミステリー作品の短編を集めたものとなっています。筆を執るのは、Fateシリーズの原作者である奈須きのこの指名を受けて、FGOの期間限定イベント「虚月館…