汗牛未充棟

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ようやく「ガールズ&パンツァー」にハマりました。

 最近、ようやくガルパンこと『ガールズ&パンツァー』にはまりました。

 劇場版公開時「ガルパンはいいぞ!」という決まり文句は幾度となくTwitterで見かけたけれど、「評判いいからそのうち見よう」と思ったまま結局見ることなくはや数年。最終章第2話が公開されるということで、重い腰をあげて見始めたらあれよあれよという間に沼の中へ。

 アニメ終盤の黒森峰戦での大洗メンバーそれぞれの成長や、みほのトラウマ克服シーン、OVAアンツィオ戦のカルロ・ヴェローチェの軽快な走りとたかちゃんひなちゃんの装填対決など見どころはたくさんあったけれど、やっぱり劇場版は格別でした。

 

 

 圧倒的な戦力差のある大学選抜に挑む大洗高校。しかし試合開始直前に続々と集結するライバル校たち。王道といえば王道だけれど、だからこそとても熱い展開でした。

 ただ「キャラクター集結」の面白さは一朝一夕にできる展開でもないと思います。例えば世界的に大ヒットした映画シリーズ『アベンジャーズ』も第1作に至るまでに、それぞれのヒーローが主役の映画を何作も公開しています。つまり、それぞれのキャラクターが十分に掘り下げられているからこそ、集結し、団結した時の盛り上がりが生まれるのです。

 ガルパンは劇場版までに公開された映像作品はアニメ1クールとOVA1作のみでした。しかも当然ながら最もスポットが当たるのは大洗高校の面々となるわけで、ライバル校のキャラクターを掘り下げる尺はほとんどなかったように思います。ただその短い尺のなかで大量のキャラクターを視聴者に飲み込ませるのが、ガルパンはとても上手かったのではないでしょうか。

 各高校はそれぞれ一つの国をモチーフにしており、その国に対する割とステレオタイプな印象がそのまま各校の印象にも当てはまります。また、隊長たちメインキャラクターは非常に分かりやすいキャラ性(属性)を持って登場するので、視聴者としてもキャラの理解が簡単で覚えやすいものでした。だからこそ劇場版の段階でそれぞれの高校の愛着が持てていたのかなと思います。

 

 ガルパンのキャラクターが属性に寄り添ったものでありながら、テンプレートな存在に感じないのは会話の妙でしょうか。短いやり取りの中で関係性を想像させられる場面が多いなと感じます。例えば劇場版の親善試合で、ダージリンローズヒップにかけた台詞「ローズヒップ、Ⅳ号の狙いは私よ。それをよく考えて的確に行動しなさい。スピードを出すことに夢中にならないで」というもの。卒業を控えたダージリンローズヒップの成長を促すために、あえて抽象的な指示をだしローズヒップに考えさせようとしているのだな、と背景を想像してしまいます。(オタクの妄想です。)

 書きながら気づきましたが、キャラクターに一般名詞のあだ名(紅茶の品種やイタリア料理)をつけるのも、視聴者にキャラクターを覚えてもらうためのテクニックなのでしょうね。

 

 

 最終章では無限軌道杯の2回戦が始まりました。ライバルたちと一致団結して強敵を倒す展開も最高の王道ですが、ライバル同士の対決もまた盛り上がりを約束された王道です。2回戦は大洗以外の対決も、同じくらいの熱量で描いてほしいものです。(全7話なんて予定、変更してもいいんですよ。)


 ちなみに個人的に一番好きな戦車はポルシェ・ティーガーです。「エンジン規定はあるけど、モーターはないもんねえ!」は名言。レオポンさんチームの関心は基本戦車に向けられているからか、モーターを改造したり、通路を塞ぐ位置で撃破されることでフラッグ車対決を演出したり、ルールの裏をかくことに躊躇ない戦車道精神(?)とは無縁な感じがとても好みです。