汗牛未充棟

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歴史小説

冲方丁『月と日の后』――お飾りの中宮から国母へ、藤原彰子の生涯を書いた大作歴史小説

月と日の后 作者:冲方 丁 PHP研究所 Amazon 『月と日の后』は、平安時代中期に宮廷で権勢を振るった藤原道長の娘であり、一条天皇に入内し一族繁栄の要となった藤原彰子の生涯を描いた小説。2018年5月から2021年6月まで雑誌『歴史街道』にて連載され、この度…

冲方丁『はなとゆめ』――信念を胸に戦い続ける冲方ヒロインとしての清少納言

はなとゆめ (角川文庫) 作者:冲方 丁 KADOKAWA Amazon 『はなとゆめ』は「枕草子」の作者、清少納言の生涯を描いた歴史小説。2012年から新聞に連載され、2013年には角川書店から単行本が刊行、2016年に文庫化された。著者の冲方丁は数々のジャンルで作品を発…

"江戸版シュピーゲル"って本当?――冲方丁『剣樹抄』

文藝春秋春秋の「オール読物」で連載中の冲方丁『剣樹抄』が遂に単行本として発売されました! 剣樹抄 作者: 冲方丁 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/07/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 2017年に冲方丁の傑作「シュピーゲルシリー…

二頭の麒麟児が日本の未来を拓く――冲方丁『麒麟児』

麒麟児 作者: 冲方丁 出版社/メーカー: KADOKAWA 発売日: 2018/12/21 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 慶応四年三月。鳥羽・伏見の戦いに勝利した官軍は、徳川慶喜追討令を受け、江戸に迫りつつあった。軍事取扱の勝海舟は、五万の大軍を率いる…